組織メンバー

一般社団法人 日本アニマルセラピー協会 理事長
NPO法人 日本アニマルセラピー協会 理事
上級ドッグトレーナー
木戸 敏徳
Kido Toshinori
犬の行動学者
木戸メソッドの開発者
◎アニマルセラピスト師範
◎第一種動物取扱業
◎犬のきもち研究の第一人者
◎医療法人社団 和田医院との共同研究
「この子はもう無理かもしれない」

そう言われて施設に送られたり、飼育放棄される犬たちが、実際にたくさんいます。でも私は、それを“仕方ない”では終わらせたくありませんでした。いま、福岡アニマルセラピー協会では、そうした“心に傷を負った犬たち”が、再び笑顔を取り戻せる場所をつくることに取り組んでいます。
──といっても、偉そうなことを言える立場ではありません。
実は私自身、若い頃はかなり荒れていて、中高生時代は地元で知られたヤンチャな人間でした。高校卒業後は定職にもつかず、転職を繰り返し、気づけば30歳目前でアルコール依存に。入院することになり、人生どん底を味わいました。
退院を目前に控えていた頃、長年一緒にいた愛犬が亡くなり、私は心にぽっかりと穴があいたようになってしまいました。ようやく酒と向き合い始めたばかりだったのに、「また崩れてしまうかもしれない」と不安と孤独に押しつぶされそうでした。
そんなとき、両親がすすめてくれたのが——

一頭のホワイトシェパードとの出会いでした。名前は「リキ」。リキは見た目こそ立派な大型犬でしたが、実際は自信がなく、不安でいっぱいの子で、散歩に行くのも怖がるほどでした。知らない人や犬に吠えたり、怯えて動かなくなったり。でもその姿を見て、私はすぐにこう思いました。
「この子、俺と一緒やな」と。
当時の私も、アルコールのこと、社会に戻ることが怖くて、一歩外に出ることすら不安でした。だから、リキと初めて散歩に出るときは、まるでお互いに言い合っているようでした。「怖いね」「大丈夫かな」って。2人で一歩ずつ、寄り添いながら外の世界へ出ていったんです。
そして少しずつ、お互いに“自信”というものを取り戻していきました。
一緒に歩いた道は、私たち2人にとって「再出発」そのものでした。
「この子は変われる」——そう気づいたとき、自分も変わり始めた。
リキの変化を目の当たりにして、私は思いました。「ちゃんと向き合えば、どんな子でも変われるんじゃないか」って。もちろん、すぐにはうまくいきません。何度も失敗したし、心が折れそうになる日もありました。
でも、リキのしぐさ、目線、息づかい、鳴き声……
すべてを観察して、少しでも気持ちがわかるように努力した。学歴も資格もありません。でも、“心で向き合う”ことだけは誰にも負けないと思っています。そしていつの間にか、リキのような「問題行動のある犬」を抱えた方から、次々と相談が来るようになりました。
「この子も助けてあげてください」と。

ある日、いつものように何頭もの犬を連れて散歩していたところ、医師の方にこう声をかけられました。
「それってもう、セラピー犬だよ。施設を一緒に回ってもらえませんか?」

気づけば、リキとともに福祉施設や病院へ訪問し、人の心を癒す“セラピー犬”として活動するようになっていました。それが、私の「犬と生きる人生」のはじまりでした。セラピー活動が広がるにつれ、全国から問題行動を抱えた犬の相談が来るようになりました。そして私はふと思ったのです。
「この流れをもっと広げれば、殺処分ゼロを本気で目指せるんじゃないか?」と。
実際、日本の犬の殺処分数は年々減ってきていますが、2022年時点でも2,434頭が命を絶たれています。
「吠えるから」
「手に負えないから」
「かみついたから」

そんな理由で手放される犬たちは、決して“悪い子”じゃない。ただ、心に傷があるだけなんです。だから私は、彼らに“再出発の場”を用意したいと思いました。
もう一度、人を信じていいんだよ。
あなたには価値があるんだよ。
あなたを必要としている人がいるんだよ、と伝えたい。

そんな想いから立ち上げたのが、福岡アニマルセラピー協会です。

現在は、協会施設内の広大なドッグランで“集団散歩”という形のトレーニングを行い、犬同士の社会性を育て、人への信頼も少しずつ取り戻してもらっています。最初は唸ったり、かみつこうとする犬でも、1ヶ月、3ヶ月、半年と経つうちに、表情が変わってくる。そしてある日、そっと寄り添ってくれるようになる。その瞬間が、何よりも嬉しいんです。

当協会では、保護活動やセラピー犬育成、訪問活動のための収益・ご寄付をすべて、犬たちのケアや施設維持費、備品購入にあてさせていただいております。命を救うだけではなく、その命がまた誰かを癒し、社会に希望を与える存在になる。そんな命の循環=「支援が支援を生む社会」を、ここ福岡から発信していきたいと思っています。
一頭でも多くの命に、もう一度“再出発”のチャンスを。

そしてその子たちが、また誰かの人生を救うような存在になることを願って。

これからもどうぞ、温かいご支援・ご協力をよろしくお願いいたします。
組織概要
名称 | 一般社団法人 福岡アニマルセラピー協会 Fukuoka Animal Therapy Association (通称:FAT) URL:https://fat.or.jp |
設立 | 2022年3月1日(一般社団法人認証) |
所在地 | (本部)〒814-0171 福岡県福岡市早良区野芥7丁目29-1 |
連絡先 | お問い合わせフォームへ TEL:080-6414-3278 |
役員 | 理事長 木戸 敏徳 理事 棚成 嘉文 森上 洋子 幹事 木戸 友絵 松尾 清孝 キャットセラピスト/広報担当 島村 磨弥 |
協力 | 医療法人社団 和田医院 |
活動 | 全体事業の運営管理 遺贈窓口の運営管理 啓発活動運動の運営管理 各事業の基金の運営管理 セラピー施設の運営サポート 研究の運営管理 |
主要取引先銀行 | 三菱UFJ銀行/三井住友銀行/ゆうちょ銀行/みずほ銀行/りそな銀行 |
